まるみかん が できるまで

わたくしには、大好きな王様がおります。
最初はお顔を拝見するのも恐れ多かったのですが、何とかお近づきになりたくて、似顔絵らしきものを描いてみたり、多くの人にも知ってもらいたくてマンガなども描いてみたりしてみました。
そうして、30年近くもお城の周りをぐるぐると歩き回っていたのですが、一向に王様は振り向いてくれません。
その間に英語でミュージカルをしてみたり、子どもが生まれたり、そして子ども向けに小さな劇をしたり…と様々なイベントもあったのですが、ある日、ある文字が目に飛び込んできました。

“バラッド”

その瞬間、今までの経験が、かちかちかちっ、と音とあげて組み合わさりました。
「お前は、バラッドで王様のことを歌い広めなさい。昔の人たちのように。」
そうやって「まるみかん」はできました。
王様の歌にたどり着くまでは、まだまだ時間がかかります。
それまでに、沢山のバラッドを学ばなくてはなりません。
緑の服はたどり着く場所、その決意の表れです。
まるみかん(Mal Mikan)の名前は、顔が丸くてなんとなくみかんっぽいということと、王様の第一の騎士の呼び名「Chevalier mal fait(シュヴァリエ・マル・フェ)」から名付けました。
「みかん」もただのみかんではなく、沖縄のシークァーサーでございます。
そして「みかん」自体も、王様の紋章の内容から、恐れ多くも勝手に名付けを頂いております。
ちなみに、malはフランス語で「悪い」「腐った」「罪を犯した」という意味があります。
つまりは図らずも「腐ったみかん」になってしまいました。
何というオチでございましょう。

———まるみかん(中の人:いのうえ みわ)

ハープ

ずいぶんと前に、ハープを購入いたしました。
単純に、何か弾き語りがやってみたいという理由からです。
私が現在所有しているのは、アメリカのShepherd社の22弦の吟遊ハープです。
お金との兼ね合いでこのハープにしたのですが、さらにケチってシャーピングレバーをCとFにしか付けなかったので、けっこう制限がありますが、気に入っております。
長い間、初心者のまま弾いていなかったので未だに初心者でございます。
精進いたします。
最近、このハープに「Eliot」という名前をつけました。
ディナダンという騎士が作った、マーク王を揶揄する罵詈雑言ソングをマーク王の本人の目の前で歌った吟遊詩人の名前です。
私も、そのような剛の者でありたいと思います

'How at a great feast that King mark made came Eliot the harper and sang the lay that Dinadan had made.' from 'The Romance of King Arthur and his Knights of the Round Table'
‘How at a great feast that King mark made came Eliot the harper and sang the lay that Dinadan had made.’ from ‘The Romance of King Arthur and his Knights of the Round Table’